失業・退職後に使える主な支援
- 失業給付(基本手当):離職前賃金の50〜80%、最大330日
- 傷病手当金:休業前報酬の2/3、最長1年6ヶ月
- 住居確保給付金:家賃相当額を原則3ヶ月(最長9ヶ月)
- 国民健康保険料の軽減:前年度保険料を最大30%軽減
失業・退職は経済的に不安な時期ですが、適切な制度を使えばその間の生活を支えることができます。この記事では退職・失業後に使える給付金・支援制度を、申請のタイミング順に解説します。
退職直後にやること
1. 雇用保険(失業給付)の申請
会社員として雇用保険に加入していた方は、退職後にハローワークで基本手当(失業給付)の申請ができます。
基本手当(失業給付)
支給額:離職前6ヶ月の平均賃金(賃金日額)の50〜80%
給付日数:被保険者期間・年齢・離職理由によって90〜330日
待機期間:自己都合退職は2ヶ月の給付制限あり(会社都合・特定理由はなし)
申請先:ハローワーク(離職票を持参)
会社都合(解雇・倒産)と自己都合退職の違い
・会社都合(特定受給資格者):待機7日後すぐに給付開始、給付日数も長い
・自己都合退職(一般受給資格者):待機7日+2ヶ月の給付制限後に給付開始
・正当な理由のある自己都合(病気・介護・ハラスメント等):2ヶ月の制限なし(2024年10月〜)
2. 健康保険の切り替え
退職後は健康保険を切り替える必要があります。選択肢は3つあります。
| 選択肢 | 内容 | 向いている方 |
|---|---|---|
| 任意継続 | 在職中の健康保険を最大2年間継続 | 国保より保険料が安い場合 |
| 国民健康保険 | 市区町村の国保に加入 | 収入が大きく減った方 |
| 家族の扶養に入る | 配偶者・親の健康保険の扶養になる | 当面収入がない方 |
国民健康保険料の特例軽減(会社都合退職者)
会社都合退職・特定受給資格者・特定理由離職者として失業給付を受ける方は、国民健康保険料の算定基礎となる前年の給与所得を30%として計算する特例があります(最大で通常の30%の保険料になる)。
申請先:市区町村の国民健康保険担当窓口。離職票または雇用保険受給資格者証が必要。
3. 年金の切り替えと免除申請
退職後に国民年金に切り替える必要があります。収入がない・少ない場合は保険料免除・猶予制度を申請しましょう。
国民年金保険料の免除・猶予
前年の所得が一定以下の場合、保険料の全額・3/4・半額・1/4の免除を受けられます。失業した方は「失業の特例」として、失業した翌月から1年間、特別に免除申請できます(前年所得に関わらず審査が通りやすい)。
注意:未納と違い、免除期間は年金受給資格期間(10年)に算入されます。老齢基礎年金の受給額には一部影響しますが、最大2年分は後から追納可能。
生活に困ったときの給付金
住居確保給付金
対象:離職・廃業から2年以内(または収入急減)で、家賃の支払いが困難な方
支給内容:家賃相当額(上限は自治体・世帯人数により異なる)を、貸主・家主に直接支給
支給期間:原則3ヶ月(延長で最長9ヶ月)
申請先:自立相談支援機関(各市区町村の福祉担当窓口)
支給上限例(東京・単身):月額53,700円
生活困窮者自立支援制度
就労支援・生活支援・子どもの学習支援など、生活困窮者向けの総合的な支援制度です。ハローワーク・自立相談支援機関(市区町村の窓口)に相談すると、専門のアドバイザーが状況に応じた支援を組み合わせてくれます。
生活保護
他の制度を活用してもなお生活が困難な場合の最後のセーフティネット。資産・収入・扶養照会などの要件があります。「申請するのが恥ずかしい」という心理的ハードルがありますが、法律上の権利です。生活に困窮している場合は迷わず相談してください。
申請先:お住まいの市区町村の福祉事務所
失業中でも使える給付金・支援
傷病手当金(健康保険)
在職中に病気やけがで休職した場合(退職後も条件を満たせば継続受給可)に支給。1日あたり休業前報酬の2/3、最長1年6ヶ月。任意継続期間中も受給可能なケースあり。
職業訓練受講給付金(求職者支援制度)
雇用保険を受給できない求職者が、無料の職業訓練を受講しながら月10万円の給付金(職業訓練受講給付金)を受け取れる制度。収入・資産の要件あり。
申請先:ハローワーク
高齢者(60歳以上)向け特例:高年齢者雇用継続給付(雇用保険)は60歳以降に再就職・継続雇用で賃金が下がった場合に支給されます。60〜65歳の方は退職後の再就職先でも活用できる制度です。
退職後の手続きチェックリスト
- □ ハローワークで雇用保険(基本手当)の申請(離職票持参)
- □ 健康保険の切り替え(任意継続 or 国保 or 扶養加入)
- □ 会社都合退職なら国民健康保険料の軽減申請
- □ 国民年金の加入届け+免除・猶予申請
- □ 住居確保が不安なら住居確保給付金の相談
- □ 生活困窮なら自立相談支援機関に相談
退職後は手続きが多く、精神的にも余裕のない時期です。一人で抱え込まず、ハローワーク・市区町村の窓口・自立相談支援機関を積極的に活用してください。