障害者手帳で受けられる主な支援

  • 税制優遇(所得税・住民税の障害者控除)
  • 公共交通機関の運賃割引(JR・バス・航空等)
  • NHK受信料の全額・半額免除
  • 自立支援医療(医療費1割負担)
  • 各種サービス・施設の割引・無料化

「障害者手帳」と一口に言っても、実は3種類あります。それぞれ対象となる障害の種類・取得方法・使えるサービスが異なります。この記事では3種類の手帳の違いと、手帳取得後に使える補助金・支援制度を解説します。

3種類の障害者手帳

種別 対象 等級 申請先
身体障害者手帳 視覚・聴覚・肢体など身体機能の障害 1〜6級 市区町村
療育手帳(愛の手帳等) 知的障害(IQ・適応行動による) A・B(自治体により異なる) 市区町村・児童相談所等
精神障害者保健福祉手帳 精神疾患(統合失調症・うつ病・発達障害等) 1〜3級 市区町村

身体障害者手帳

対象となる障害の種類

視覚障害・聴覚障害・平衡機能障害・音声機能障害・肢体不自由・内部障害(心臓・腎臓・呼吸器・膀胱・直腸・小腸・HIV・肝臓)が対象です。

取得の流れ

  1. 市区町村の障害福祉窓口で申請書・診断書用紙を取得
  2. 指定医師に診断書を記載してもらう(指定医師の一覧は自治体ウェブサイトに掲載)
  3. 必要書類を窓口に提出(写真・マイナンバーカード等)
  4. 都道府県で審査(1〜2ヶ月)→手帳交付

等級について:1級が最も障害が重い。等級によって受けられるサービスの範囲が異なります。等級に不服がある場合は審査請求が可能です。

療育手帳

対象

知的障害のある方が対象です。名称・等級は自治体によって異なります(東京は「愛の手帳」1〜4度、全国的には「A(重度)・B(中軽度)」の2区分が多い)。

取得の流れ

  1. 市区町村または児童相談所(18歳未満)・知的障害者更生相談所(18歳以上)に相談
  2. 知能検査・適応行動検査などの判定を受ける
  3. 手帳交付

発達障害(自閉スペクトラム症・ADHD等)との関係
発達障害のある方は、知的障害が伴う場合は療育手帳、精神症状が主な場合は精神障害者保健福祉手帳の取得を検討します。知的障害と精神障害の両方に該当する場合は両方取得も可能です。

精神障害者保健福祉手帳

対象となる疾患

統合失調症・うつ病・双極性障害・てんかん・発達障害・高次脳機能障害など、精神疾患により日常生活や社会生活に支障をきたしている方が対象です。

取得の流れ

  1. 精神科・心療内科の主治医から診断書を取得(初診から6ヶ月以上経過が条件)
  2. 市区町村の障害福祉窓口に申請書類を提出
  3. 都道府県で審査(1〜3ヶ月)→手帳交付

精神障害者保健福祉手帳の有効期限:2年(身体・療育手帳は原則更新なし。精神は2年ごとに更新が必要)

手帳取得後に使える主な支援・補助金

税制優遇

障害者控除(所得税・住民税)

・一般障害者:所得税27万円控除、住民税26万円控除
・特別障害者(身体1〜2級・療育A・精神1級等):所得税40万円控除、住民税30万円控除
・同居特別障害者(同居の場合):さらに控除額が増加

自動車税・軽自動車税の減免

本人または生計を同一にする方が所有・使用する自動車について、自動車税・軽自動車税が減免されます。等級・状態の重さにより適用条件が異なります。

医療費の軽減

自立支援医療(更生医療・育成医療・精神通院医療)

障害の治療・訓練のための医療費を原則1割負担(通常3割)に軽減。所得に応じた月額上限あり。精神障害者保健福祉手帳の申請と同時に精神通院医療の申請も可能。

日常生活支援

障害福祉サービス(障害者総合支援法)

居宅介護(ホームヘルプ)・生活介護・就労支援・グループホームなど、障害の種類・程度・状況に応じたサービスを1〜2割の自己負担で利用できます。

補装具費・日常生活用具の給付

義肢・補聴器・車椅子などの補装具の購入・修理費用の一部を給付。電動車椅子・意思伝達装置など高額機器も対象になる場合があります。

交通・通信の割引

主な割引・優遇の例
・JR旅客運賃:本人と介護者が半額(第1種・重度)
・高速道路料金:ETC利用で50%割引
・NHK受信料:全額免除(本人が世帯主の場合等)or 半額免除
・携帯電話料金:各社障害者向け割引プラン
・航空運賃:各社割引(ANAは「障害者割引」等)

手帳申請の流れまとめ

  • ① 市区町村の障害福祉窓口に相談(どの手帳が対象かを確認)
  • ② 主治医(指定医師)に診断書を依頼
  • ③ 申請書類を窓口に提出(写真・マイナンバー等)
  • ④ 審査後、手帳交付(1〜3ヶ月)
  • ⑤ 手帳を持って各種支援・割引を申請・活用する

障害者手帳は「障害が重い人だけのもの」ではありません。生活や仕事に支障が生じている方であれば取得できる可能性があります。まず市区町村の障害福祉窓口や、主治医に相談してみてください。